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海援隊と陸援隊

討幕の要となった薩長同盟の締結に欠かせなかったのが、坂本龍馬の海援隊と、中岡慎太郎が指揮した陸援隊です。海援隊は薩摩藩から援助を受け、日本初の貿易商社となった亀山社中を基に作られた組織です。「海援隊」の名前となった頃には既に龍馬の心にも倒幕の意識が芽生えていたため、海援隊はただの貿易商社ではなく政治結社の性格も強くなっていました。そしてその出資者には薩摩藩、土佐藩に加え長州藩もひそかに加担していたのです。海援隊を通して雄藩を結束させ強大な幕府を屈服させるというのが最終目標でもありました。そして海援隊とともに薩長同盟の締結に尽力したのが陸援隊。軍事組織の色合いが強い陸援隊は当時の京でかなりの戦闘力を有する武闘派組織であり、また同盟締結のために駆け回った組織でもあります。何故ふたつに分けたのかというと、薩長同盟締結に必要不可欠の京都における行動の際、龍馬では顔が知られ過ぎていて敵に狙われやすいため、海援隊は薩摩と長州の間での調整や連絡、武器や物資の搬送を行い、実際に動いて京都の政界を担当するのは中岡の陸援隊、と分業するためです。この作戦が功を奏して倒幕連合の結成という大仕事は成されました。海援隊と陸援隊、どちらかが欠けていたら今の日本は無かったかもしれません。

大仕事を終えたふたりに待っていた運命は…

海援隊の坂本龍馬と、陸援隊の中岡慎太郎。倒幕に大きな貢献をしたふたりでしたが、大政奉還が行なわれた直後、彼らは近江屋で暗殺者の凶刃に倒れてしまいます。しかし中岡亡きあとも陸援隊は残り、戊辰戦争では土佐藩の指揮下に入り高野山で紀州藩兵を相手に戦っていたとされています。明治に入ると御親兵に吸収されて新政府軍の正規兵となりますが、名前が変わっても国を思う志は変わっていなかったことでしょう。

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