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島津斉彬

幕末の四賢侯の一人に数えられ、この時代を代表する名君として評価されているのが第11代薩摩藩主・島津斉彬です。外国との密貿易や砂糖の独占販売などによって藩の経済立て直しを行い、莫大な利益で藩士達の政治活動や工業に力を入れていました。藩軍の近代化に成功したことが後の倒幕戦争での薩摩藩の活躍につながっていることから、最強の雄藩を育んだのは島津斉彬だといっても過言ではありません。維新に大きく貢献した彼ですが藩主となったのは43歳になってから、しかも治世をしていたのはわずか7年半という短い時期でした。しかしこの短い藩主在任期間中に藩の富国強兵を行い、幕政にも積極に加担し老中・阿部正弘の信頼も絶大。黒船来航による騒動の時にも、朝廷と組んで挙国一致で乗り切るよう公武合体を積極的に推進していました。世に名だたる名君であっただけに早くに亡くなってしまったのが惜しまれます。早くに島津家の家督を相続していれば維新はもっと前に成っていたのでは、とも言われています。

原石を見抜いた倒幕維新の父

斉彬自身が動いていた時期は短かったですが、彼の偉業は生前のみにとどまりません。西郷隆盛をはじめ、優れた人材を下級武士の中から発掘し育成したことが偉業の一つでもあります。斉彬の遺志を継いだ西郷らは藩政を動かし、薩長同盟を締結させ、ひいては倒幕へとつながっていったのです。彼らを藩政府に登用しなければ下級武士出身の者が世に出ることはなく、薩長同盟の成立や倒幕も怪しかったでしょう。明治維新に最も貢献した人物は島津斉彬なのかもしれません。

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